中小企業は、日本の経済社会・地域経済を支え、牽引する原動力としてその重要性が指摘されている。中小企業、小規模企業、ベンチャー、ソーシャル･ビジネス、マイクロ･ビジネス、マイナー･ビジネス、ファミリー･ビジネスの存立基盤安定・強化は、経済成長や雇用創造等に密接に関連している。
　本講義では、戦後日本の中小企業存立・経営・政策の歴史的変遷を概観しながら、中小企業が異質多元的な経済主体として捉えられているなかで、中小企業存立に関する理念や目標がどのように変化を遂げてきたのか、中小企業経営環境の変化や現代企業に与える影響について解説するとともに中小企業における事業創造に関する知見について体系的・理論的な幅広い観点から、現代中小企業の行動原理・企業システム・企業間関係等の実態と変化について実証的に論考する。　　さらにグローバル化・情報化・地域化の視点に立って、中小企業の存立と経営に関する企業事例を活用し、中小企業経営におけるマネジメントの基盤となるビジネス･モデルの構造とその意義、企業の信用力創造プロセスの観点からの経営品質の向上、事業承継問題、ＣＳＲ(企業の社会的責任)による存立基盤強化の実践、企業家として求められるイノベーション戦略のプロセスの理解と新たな事業を展開する際のビジネス･モデルのあり方について理解を深める。