近視眼的な利益至上主義を背景に、企業規模を問わずさまざまな不祥事が相次ぐ中で、企業倫理の重要性に関心が高まっている。
もとより社会的存在である企業にとっては、いわば相互依存関係にある社会に対する責任、すなわち社会的責任を認識し、社会的規範に基づく企業倫理の実践を図ることは、企業の持続的発展・存立を目指すうえで戦略的にも不可欠であるといえる。
本講義では、企業を取り巻く様々な局面を事例に取り上げながら、企業が企業倫理の実践を通じて、真に社会的存在としての役割を果たすために求められる経営行動のあり方とともに、顧客価値創出が求められる現代企業にとっての新たな戦略視点としての企業倫理の可能性についての理解を深めることを目的とする。