ハッピーキャリアプログラム 女性のキャリアアップ・起業コース ーリカレント教育ー

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経営戦略2 佐藤 善信 先生

2021.06.11 プログラム概要掲載

「私の授業風景:経営戦略2」

関西学院大学 経営戦略研究科 教授
佐藤 善信

経営戦略を受講した方の最初の印象は、「横文字(英語のカタカナの専門用語)の意味が分からない」ではないだろうか。経営戦略の専門用語は日本語に訳せない言葉が多いので、そのままカタカナで表現しているのである。だが、その意味を日本語でできるだけ正確に具体的にかみ砕いて説明するよう努めている。そのせいか、以下のような感想が授業の最終レポートで書かれていることが多い。

「経営戦略の授業は他の授業に比べ、受講を通して自身の変化が明確にわかる授業であった。なお、講義で教えていただいた多くのフレームワークや理論は、一つ一つ難しいながらとても面白く感じた。」以下では、私の授業風景の内容を、昨年度のハッピーキャリア受講者の最終レポートに書かれた感想を中心に紹介する。採点対象になるレポートなので、教員に対する受講者の若干の「忖度」が含まれていると考えられるが、その点を考慮しながら読んでいただければと思う。以下のような素朴な全般的な感想を書いてくださった受講者もいた。

「経営戦略の講義を受け学びとなったこと、そしてそれを受けて自身が変化したと実感したことは、大きくあげて、 (1) 企業には戦略があるということ、(2) “顧客”や“従業員”など、人の行いが根源にあることを忘れてはいけないということ、そして(3) 新聞の読み方が変わったということ、である。」

同じような感想を持った方もおられた。この方の場合は、授業で得た知識をどのように活用するのかについても、説明してくれていた。「経営戦略の講義を経て、仕事に対するモチベーションが上がり、身近な会社の見方が変化、人生観を豊かにすることができた。具体的に日々の生活で、会社、経営に興味が沸き、新聞の読み方も深く読むようになり、夫婦の会話でも仕事に関する話題が増えた。自分自身、子供を出産してから仕事と家事育児の両立を気にしすぎてしまい、自身の就職活動時代企業研究をして入りたい企業を調べ、知ろうという気持ちが入社以降無くなってしまったことに気づいた。特に、ケーススタディを通じて、会社、経営の面白さを感じ、所属している会社をもっと好きになって働きたいという意欲が芽生え、来年の復職後に向けてモチベーションを上げることができた。」

実際、この方のように、授業で得た知識をどのように活用すべきかについての感想は多い。以下で紹介する感想はすべてそうである。「今まで私は自分の所属企業の業界内のポジションについてあまり気にしていなかったように思う。しかしこの講座を受講して、人事として厳しい人材獲得競争を勝ち抜く為には自社のポジションや事業の方向性についてもっとアンテナを張っていかなければならないと気付いた。今後は講座で学んだことを実際の仕事で活用し、知識や経験として自分の中に定着させたい。」「企業を自分自身に置き換えて考えることで、個人の戦略的思考力も高められる。意思決定プロセス『エフェクチュエーション』という、自分の手持ちの手段を用いて何ができるのか、まずは少しずつ行動を起こすという考え方は、就職活動に向けて行動を起こす励みにもなった。」「時間管理のマトリクスを使いながら、かつての自分の仕事内容を振り返り、自分自身の課題の整理や戦略の組み立てにも取り組んでみたい。感覚的には、今までは第一領域と第三領域の仕事ばかりに集中し、大事な第二領域にはほとんど取り組めていなかったような気がする。ハッピーキャリアプログラム終了後、再就職できた矢先には、必ずこのマトリクスを意識した仕事をしていきたいと思う。」「授業を通して経営戦略とは何か全体像を把握し、理論的概念や分析ツールを理解することができた。また、学んだ様々な考え方は今後自分個人のキャリア設計にも応用でき、子育てや地域活動にも活かし得る貴重な成長の糧となった。」

専門用語のカタカナ語が難解なので、全4回の授業では、身近な企業の実際の経営戦略をベースにして、そのケースに相応しい経営戦略の理論概念を紹介する。理論概念の難易度も1回目は低くし、徐々に難易度を上げていくようにする。予習してケースを分析してきた内容を4、5名のグループ内でディスカッションすることで、全く視点が異なる分析との出会いによりケース分析の奥深さを実体験することができたり、理論概念の本来の部分以外での使用方法なども発見できたりする。このような、ケースメソッドによる経営戦略の授業を存分に楽しんでいただければと思う。

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