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やまなし税理士事務所 山梨 顕子 様

「思考の整理と納得は決断を連れてくる」

やまなし税理士事務所 税理士 山梨 顕子

2019年6月、私は税理士として個人事務所を開設しました。いわゆる独立です。現在、神戸市周辺のお客様を中心に、帳簿のつけ方や確定申告の指導、会社経営や相続の相談を受けています。特に人を雇うこともなく、自宅を兼ねた小さな税理士事務所のひとり税理士、ひとり所長です。

自身の会計事務所を持つ開業税理士、税理士法人の役員に就いている社員税理士は税理士全体の8割を超えており、ハッピーキャリア入学当時、自分は残りの2割の存在、つまり雇われの税理士でした。数字の上ではいつか自分も8割の方に入っていくのだろうか。でも今の自分に独り立ちする勇気はない、覚悟もない、ビジョンもない。将来の家庭環境が変わったらどうする?とできない理由ばかり並べ、日々の業務に忙殺、現状に甘んじている毎日でした。つまり、「独立したい」という思いはこれっぽっちもありませんでした。

前へ動き出すためのきっかけをと日々情報に敏感になっていた時に出会ったのがハッピーキャリアプログラムでした。4期生として入学し、講師・仲間・卒業生と多くの人と出会いました。講義では専門的知識の一方的なインプットだけではなく、講義中の発言やディスカッション、レポート提出でアウトプットを行うことにより、自分で立ち止まって考えるという癖が身につきました。そこでは単に「考えてみる」のではなく、その方向を垂直的・水平的・希望的・批判的など多角的に見てみることで先入観や偏見が排除され、立場々々の違った風景を見ることができました。加えて論理的思考を組み立てていくプロセスを体系的に学んだことで自分自身が抱いていた価値観や考え方が大きく変化したのだと振り返れば感じます。ただ、その時にはその変化に気づいていませんでした。

悩みに対する直接的な答えを直ちに得られるものではありません。岐路に立たされた時に自分で答えを導き出す。自問自答、振り返りを日々繰り返しながら卒業から2年間かけてようやく決めたのが「独立」でした。

独立してしばらくは趣味や旅行を楽しもうと思っていたところ、コロナウィルスの世界的流行により世の中が一変してしまいました。後ろ盾や顧客がなく、ないない尽くしの中、果たして「独立」してよかったのかとネガティブになってしまう瞬間が何度も訪れました。
ただ、そのような中でも前を向かせてくれたのはハッピーキャリアで学んだ経験です。直接的な解を求めるのではなく、自分で考えて実行に移す癖。

今は試行錯誤の連続です。ひとりで事務所を運営しているため、苦手分野を補完し合える仲間はいませんが、苦手克服に向けて少し手を付けてみたり、苦手の度合いを減らしてみたりと挑戦続きの毎日はひとりでも決して悪くありません。
自分で作ったHPから問い合わせが来た、大勢の前で話すことが苦手だった自分が講師を引き受け、人前で何時間も講義をしている。また、Zoomを用いて面談をすることにより、九州や中部地方など遠隔地からのお客様の対応もしています。

自分で蒔いた種が日々結実している様を見ることが出来る喜びは自分で納得して決めた「独立」であったからだと思います。

予想だにしていなかった世の中の変化。今後も自分の範疇を超えた不可抗力な出来事により決断を迫られるような場面に立たされることがあるかもしれません。そんなときでもハッピーキャリアで得た知識・経験・仲間がきっと良い解へと導いてくれると確信できることが今のわたしの自信になっています。